当サイトの予想ページには、出走全馬の「項目別評価」が並びます。実力・馬体条件・騎手・所属・調子ローテ・調教師・血統・展開脚質・枠の9項目で、 それぞれレース内での相対値(+が有利・±1.0が強弱の目安)です。 ここでよくある誤解が「一番大きい数字が、その馬が上位に来る理由だ」という読み方です。実際は違います。
項目には重みがあり、見出しに%で書いてある
9項目は同じ重さではありません。その日その場のデータで学習した結果として、総合をどれだけ動かすかが項目ごとに違います。予想ページの表の見出しには、その割合が%で併記されています(3%未満の項目は文字を淡くしています)。 2026年9月10日の川崎はこうでした。
| 項目 | 総合を動かす割合 |
|---|---|
| 実力 | 42.9% |
| 馬体条件 | 13.4% |
| 騎手 | 11.8% |
| 所属 | 11.1% |
| 調子ローテ | 6.8% |
| 調教師 | 4.5% |
| 血統 | 4.3% |
| 展開脚質 | 2.8% |
| 枠 | 2.4% |
実力が42.9%で、枠は2.4%・展開脚質は2.8%。 つまり枠の評価が+2.6でも、それが総合に足す分は実力の+0.15ぶんにも届きません。 この重みは人が決めた固定値ではなく、過去データでどれだけ結果を説明できたかから毎朝決まります。
実例1: 表で一番大きい数字を持つ馬が、下から4番目だった
同日の8R(女郎花賞・C1・1400m・12頭)の抜粋です。
| 馬 | 総合 | 項目別(絶対値の大きい順) |
|---|---|---|
| 6 オルペラー | 2.32 | 展開脚質+1.7 馬体条件+1.22 実力+1.0 騎手+0.92 血統+0.81 |
| 5 マルモリアクティブ | 1.15 | 展開脚質+1.7 騎手+1.38 調子ローテ+0.41 実力+0.22 |
| 4 アトラスライズ | 0.66 | 調教師-1.68 枠+0.91 血統+0.81 騎手+0.48 実力+0.16 |
| 1 キタノトパーズ | -0.53 | 枠+2.66 所属-2.13 展開脚質-1.61 血統-1.57 調教師+1.4 |
このレースで全馬・全項目を通じて一番大きい数字は、1番キタノトパーズの枠+2.66です。表を眺めると最も目立ちます。ところが同馬の総合は−0.53で、12頭中9番目。枠の重みが2.4%しかないためです。 代わりに総合を押し下げていたのは所属−2.13(重み11.1%)で、こちらは数字の大きさでは枠に負けているのに、 効き方では上回ります。
逆に◎になった6番オルペラーは、突き抜けた数字を持っていません。最大が展開脚質+1.7で、これは5番マルモリアクティブと同値です。 違いは重い項目が揃ってプラスだったこと——実力+1.0(42.9%)・馬体条件+1.22(13.4%)・騎手+0.92(11.8%)。 5番は騎手+1.38で◎より上ですが実力が+0.22で、総合は1.15と1.17ぶん離れました。◎は「どこかが突き抜けている馬」ではなく「重い項目が揃っている馬」として選ばれています。
実例2: 展開が突き抜けている馬が勝ったが、◎の理由は展開ではない
同日1R(C3・1400m・12頭)の◎は9番ヴェロス(総合1.63)で、結果は1着でした。 この馬の項目別で最も大きいのは展開脚質+2.64。「展開が抜けているから◎になった」と読めそうですが、 展開脚質の重みは2.8%です。総合1.63を作っていたのは実力+1.27(42.9%)と調教師+1.3(4.5%)・調子ローテ+0.74(6.8%)の積み上げでした。
つまり結果的に展開が味方した馬が勝ったのと、モデルが展開を見て選んだのは別のことです。 同レースの2番手評価だった6番ブルードラゴンは血統+2.26が最大で総合1.28。 こちらも血統の重みは4.3%なので、血統の数字の大きさが評価順を作ったわけではありません。
表を読む順序
以上をふまえると、予想ページの表はこの順で読むのが実際の作りに合っています。
- まず見出しの%を見て、その日そのレースで何が重い項目かを掴む
- 重い項目(多くの場合は実力)の列を縦に見て、上位と下位の差を確認する
- そのうえで総合の並びを見る。総合と重い項目の順序がずれている馬は、他の項目が押し上げ/押し下げているので、そこだけ横に見る
- 淡く表示されている項目(3%未満)の大きい数字は、順序の説明にはならないと考えて差し支えない
表示だけでは判断できないこと
重みが小さいことは「その項目が無意味」という意味ではありません。9月10日の川崎2Rでは、展開脚質+1.76の逃げ馬が 総合5番目で印から外れ、そのまま勝ちました。展開の重みが2.8%だから総合が動かなかったわけで、重みが小さいことは、その馬が来ないことの保証ではありません。 当サイトはこの型(展開の評価が高い印圏外の前の馬)を場ごとに記録しており、印の外で拾う枠として扱っています。
また、この重みはその日その場の学習結果です。別の場・別の日では違う並びになります。 この記事の数字は2026年9月10日の川崎のもので、当日のページで同じ値を確認できます。
どう数えたか
- 教材は2026年9月10日 川崎の保存済み予想原本(1R・8R)です。予想は発走前に保存したまま書き換えない方針なので、記事の数字は当日そのものです。
- 「総合を動かす割合」は、その日その場の学習で得た各項目の寄与を合計100%に正規化したものです。予想ページの表の見出しに出ている値と同一で、レースごとに保存されています。
- 項目別の数値はレース内での相対値(レース内で平均0・標準偏差1に直したもの)です。だから同じ+1.0でも、メンバーが違えば意味する強さは違います。
この結論の限界
- この記事は2レースの読み方の説明で、統計的な検証ではありません。「重い項目が揃っている馬が来やすい」ことをこの2例が証明するわけではありません(的中率の実測は実績ページの数字が正です)。
- 重みは日ごと・場ごとに変わります。ここに出した並び(実力42.9%・枠2.4%)を他の日や他の場に当てはめないでください。
- 重みが小さい項目にも情報はあります。表示の淡さは「順序の説明力が小さい」という意味で、「無関係」ではありません。
- 項目別評価は当サイトのモデルが見ているものの一覧であって、競馬で結果を左右する要素の一覧ではありません。当日の馬場やパドックの状態など、そもそも取得していない情報は表に出てきません。
この記事で使った2レースは2026年9月10日の川崎のページで全馬の項目別評価をそのまま確認できます。予想の作り方そのものは理論ページに、当たり外れの記録は実績ページにあります。