コラム / UmaLab-AIの仕組み
統計モデル vs AI — 予想を「対決する二本立て」にした理由と仕組み
公開 2026-07-14 ・ 対決成績は毎朝の答え合わせで自動更新(最終更新 2026-10-24)
2026年7月14日から、UmaLab-AIの予想は二本立てになりました。ひとつは従来どおりの「スコアリング予想」。もうひとつが新しく加わった「AI予想」です。二つは同じレースでそれぞれ◎を打ち、どちらが当たったかを毎回記録します。つまり——統計モデルとAIの対決です。
スコアリング予想 — 数字で選ぶ
過去のレースデータから学習した統計モデルが、脚質・枠順・血統・騎手や調教師との相性・対戦成績にもとづく能力レーティング・持ち時計(生涯通算と直近重視の両方)・JRA遠征実績・デビュー前の能力試験タイムなど、実測できる項目だけで全馬を採点します。人気・オッズは一切使いません。項目の重みも人が決めるのではなく、モデルが過去データから学び直し続けます。的中率は実績ページでwalk-forward検証の実測値として全公開しています。
AI予想 — 数字の外まで考える
AI予想は、スコアリング予想の全出力(全馬の項目別評価・◎と対抗・その根拠)に加えて、スコア化されていない文脈——逃げ馬が何頭いるかというメンバー構成、季節や月ごとの傾向、当日の天気予報、直近開催の馬場バイアス——まで材料として、AI(大規模言語モデル)がレースを読み直したものです。AIにも人気・オッズは一切渡しません。ただしAIが学習で身につけた競馬の一般知識は使います。そこが「数字だけ」の統計モデルとの違いです。
スコアリング予想と同じ結論なら「一致」、違う◎を打ったら「対決レース」のラベルがつきます。割れたレースにはAIが「スコアの見えていない何を見たか」を必ず書きます——ここがいちばんの読みどころです。
対決のルール
勝敗はシンプルです。同じレースで、片方の◎だけが3着以内に入ったら1勝。両方的中・両方外れは引き分け。着順の優劣(5着と7着など)では勝敗をつけません——外れ同士の勝ち負けを数えても意味がないからです。分母はAI予想を出した開催のみ。通算成績は対決ボードとしてトップページと実績ページに常設し、負けている側も含めてすべて公開します。
なぜ対決させるのか
「AIは統計モデルに勝てるのか」——この答えはまだ誰にも分かりません。統計モデルは定量化済みの傾向を安定して積み上げるのが得意で、AIは例外的な文脈の察知が得意なはずです。でも「はず」は当てになりません。だから毎レース対決させて、実測で決着をつけることにしました。答え合わせを取り込んで改良を続けるのがUmaLab-AIの流儀です。外した分だけ、強くなる。その検証の過程そのものを、勝敗つきでお見せします。
今日の予想はトップページから。AI予想がある日は、予想ページに紫の「AI予想」ブロックと「本日はAI予想つき」の表示が出ます。
対決の現在地(実測)
これまでにAI予想を出した179開催・2,064レースのうち、両者の◎が一致したのは76.7%です。つまり9割近くは同じ結論になり、勝敗が立つのは残りの割れたレースだけです。ここが対決の実態で、勝敗の母数が小さいのは構造上そうなります。
割れたレースの決着はスコアリング予想の146勝・AI予想の117勝(両方的中と両方外れの引き分けが1,801レース)。◎全体の的中率で見ると、単勝は スコアリング予想37.1%・AI予想35.6%、3着内はスコアリング予想70.2%・AI予想68.8%です。 現時点ではスコアリング予想が上回っていますが、この差はまだ小さく、勝敗の母数も十分ではありません。 結論を出すには早い、というのが正直な現在地です。
通算の内訳と推移は実績ページの対決ボードに常設しています。負けている側も含めてそのまま出しています。
どう数えたか
- 勝敗の母数はAI予想を出した開催のレースだけです。AI予想を出さない日があるのは仕様で、その日は勝敗に入りません。
- AI予想は発走前に保存し、保存後は書き換えません。実在しない馬番の指定、締切後の投稿、原本の上書きは機械的に拒否される仕組みにしています。後から都合よく直すことはできません。
- AI予想に渡す材料にも人気・オッズは含めていません。渡しているのはスコアリング予想の全出力と、メンバー構成・季節・天気・直近の馬場傾向などのスコア化していない文脈です。
- ◎が一致したレースは構造上すべて引き分けになります。そのため勝敗の母数は全レースの1割強にとどまります。
この結論の限界
- 勝敗の母数が小さいため、現時点の勝敗差から「どちらが強い」とは言えません。数百レース規模の割れが積み上がるまでは傾向として扱っています。
- AI予想は実行するモデルが日によって違うことがあります。モデルごとの比較は同一レースで行っていないため、モデルの優劣をこの数字から論じることはできません。
- 着順の優劣では勝敗をつけていません(5着と7着のような外れ同士に勝ち負けをつけても意味がないためです)。参考値として着順の比較も別に記録しています。