「距離延長は割引」「距離短縮で一変」。前走から距離が変わる馬は、予想でよく話題になります。そこで11場の263,711走を、前走(同じ競馬場・90日以内)からどれだけ距離が変わったかで5つに分け、3着以内に入った率を数えました。距離の変化は出走表の時点で分かる情報です。
大きく延ばした馬が、いちばん下がる
| 前走からの距離 | 勝率 | 3着内率 |
|---|---|---|
| 大幅短縮300m以上縮める・15,698走 | 8.4% | 27.2% |
| 短縮100〜299m縮める・38,203走 | 9.1% | 28.7% |
| 同距離差が100m未満・151,406走 | 9.5% | 29.4% |
| 延長100〜299m延ばす・40,385走 | 9.0% | 28.0% |
| 大幅延長300m以上延ばす・18,019走 | 7.9% | 24.6% |
前走と同じ距離の馬の3着内率は29.4%。300m以上延ばした馬は24.6%(−4.7pt)で、5つの区分でいちばん低くなりました。300m以上縮めた馬は27.2%(−2.2pt)で、下がり方は延長より小さく出ています。100〜299mの小さな変更は、延ばしても縮めても同じ距離との差は小さめです。
「もともと弱い馬が距離を変えるから」では説明しきれない
距離を変える馬は、同じ距離で結果が出ていない馬かもしれません。そこで、その馬のそれまでの通算3着内率が同じくらいの馬どうしで比べました(それまでに5走以上ある馬のみ)。数字は次の走の3着内率です。
| 通算の3着内率それまでの走 | 大幅短縮 | 同距離 | 大幅延長 |
|---|---|---|---|
| 〜15% | 13.2%3,431走 | 13.2%28,074走 | 11.1%3,361走 |
| 15〜30% | 20.8%2,873走 | 20.8%29,458走 | 17.8%3,023走 |
| 30〜45% | 26.8%2,271走 | 28.5%23,765走 | 20.5%2,464走 |
| 45%〜 | 43.1%2,756走 | 44.8%26,739走 | 36.1%3,255走 |
通算の成績をそろえても、大きく延ばした馬が同じ距離の馬を下回った帯は4帯中4帯でした。下がり方は、もともと好走の多い馬ほど大きく出ます。通算3着内率45%〜の馬では44.8%から36.1%へ(−8.7pt)、〜15%の馬では13.2%から11.1%へ(−2.1pt)でした。
前に行く馬は延長で大きく下がり、短縮ではむしろ上がる
次に、出走表の時点で分かる脚質で分けました。直近5走のうち実際に逃げ・先行した走が半分を超える馬を「前に行く馬」、それ以外を「後ろから行く馬」としています(脚質が分かる走が3走以上ある馬のみ)。
| 前走からの距離 | 前に行く馬 | 後ろから行く馬 |
|---|---|---|
| 大幅短縮 | 37.2%3,728走 | 21.8%9,608走 |
| 短縮 | 38.1%9,180走 | 23.4%23,857走 |
| 同距離 | 36.8%35,693走 | 24.2%92,037走 |
| 延長 | 34.2%9,163走 | 23.4%25,067走 |
| 大幅延長 | 27.9%3,608走 | 20.5%10,709走 |
前に行く馬は、同じ距離の36.8%に対して300m以上延ばすと27.9%(−8.9pt)まで下がります。100〜299m縮めた場合は38.1%で、同じ距離をわずかに上回りました。後ろから行く馬は、300m以上延ばして20.5%(−3.7pt)、300m以上縮めて21.8%(−2.3pt)と、どちらの向きでも下がり方は前に行く馬の延長より小さく出ています。 「延長は割引」がいちばん当てはまるのは、前に行く馬が大きく距離を延ばすときです。
場別: 3着内率
| 場 | 大幅短縮 | 同距離 | 大幅延長 |
|---|---|---|---|
| 船橋 | 24.6%777走 | 31.4%8,959走 | 28.3%926走 |
| 大井 | 16.5%1,459走 | 25.5%18,287走 | 16.8%1,652走 |
| 浦和 | 17.9%448走 | 29.5%5,726走 | 24.8%689走 |
| 川崎 | 20.9%727走 | 30.3%8,613走 | 21.7%906走 |
| 門別 | 26.1%796走 | 31.0%15,087走 | 24.8%1,116走 |
| 高知 | 29.7%1,986走 | 31.0%8,642走 | 28.8%2,275走 |
| 園田 | 26.4%2,802走 | 29.5%27,236走 | 20.9%2,979走 |
| 佐賀 | 33.4%2,059走 | 27.9%15,672走 | 27.4%2,257走 |
| 名古屋 | 27.1%3,076走 | 26.5%19,700走 | 23.6%3,315走 |
| 笠松 | 33.3%790走 | 33.1%13,285走 | 32.2%982走 |
| 金沢 | 35.9%778走 | 32.7%10,199走 | 28.1%922走 |
大きく延ばした馬が同じ距離の馬を下回ったのは11場中11場。一方、大きく縮めた馬が同じ距離の馬を上回った場も佐賀・名古屋・笠松・金沢の4場あり、短縮の向きは場によって逆になります。場ごとに使う距離の組み合わせが違う(たとえば園田は820mと1400mが中心)ため、「大幅」の中身は場で違います。
距離の変更は、クラスの変更と同時に起きることもあります。前走と同じクラス表記で300m以上延ばした馬は24.6%(同じ距離28.3%)、違うクラス表記では24.9%(同じ距離35.8%)でした。クラスが上がった初戦の読み方は「昇級初戦は不利なのか」で測っています。
この表の読み方と注意点
- 大きく距離を延ばした馬は、もともとの成績をそろえても3着内率が下がります。ただし下がるといっても数ポイントで、延ばした馬が走らないという意味ではありません。
- なぜ下がるのか(距離への適性・陣営の試し・ペースの違いなど)は、この表からは分けられません。示しているのは関連であって原因ではありません。
- 回収率(オッズ)は扱っていません。示しているのは「どれだけ3着以内に来るか」であって「儲かるか」ではありません。人気・オッズは当サイトの予想には使っていません。
どう数えたか
- 対象は各場の結果データのうち、5頭以上が完走したレースの完走馬です。
- 前走は、同じ馬の直前の出走です。前走が同じ競馬場で、90日以内の走だけを数えています(場が変わるとコースそのものが変わり、間隔が空くと休み明けの影響が混ざるため)。
- 距離の差は「今回−前走」です。差が100m未満を同じ距離、100〜299mを延長・短縮、300m以上を大幅としました。
- 通算3着内率は、その走より前の完走での3着内率です。5走以上ある馬だけを帯の表に入れています。
- 脚質は、直近5走の実走(逃げ・先行・差し・追込)のうち、逃げ・先行が半分を超えれば「前に行く馬」としました。脚質が分かる走が3走以上ある馬だけです。
- 馬は馬IDで区別しています(南関4場どうし、それ以外の場どうし)。同じ日の結果は、その日の分類に使っていません。場別の表は5つの区分すべてに300走以上ある場だけを載せています。
この結論の限界
- これは関連であって、距離の変更が着順を下げる原因であることを示すものではありません。
- 通算の成績・脚質で分けたのは1つずつの調整で、頭数・相手関係・馬場は揃えていません。
- 場ごとに使う距離が違うため、同じ「大幅延長」でも中身(何mから何mへ)は場によって違います。
- 南関4場と、それ以外の場とでは馬の識別番号の体系が違うため、両者をまたいだ移籍は追えていません。