コラム / 競馬の「それ、ホント?」
斤量が軽い馬は有利か — 軽い馬ほど3着内率は低い。同じ騎手のままなら、減ってもほぼ変わらない
公開 2026-10-07 ・ 数値は毎朝の最新データで自動更新(最終更新 2026-10-07)
「軽い斤量は有利」「斤量が減ったら狙い目」。斤量(負担重量)は軽いほど走りやすい、とよく言われます。そこで11場の結果から330,731走を数え、2つの比べ方をしました。1つは、同じレースの中で斤量が軽い馬と重い馬の比較。もう1つは、同じ馬が前走より斤量を減らしたとき・増やしたときの比較です。斤量は出走表の時点で分かる情報です。
同じレースの中では、軽い馬ほど3着内率は低い
その馬の斤量を、同じレースの全馬の斤量の真ん中(中央値)と比べて5つに分けました。
| レースの中央値より | 勝率 | 3着内率 |
|---|---|---|
| 2kg以上軽い53,073走 | 6.5% | 22.6% |
| 0.5〜1.5kg軽い34,679走 | 7.9% | 25.7% |
| 同じ167,936走 | 10.1% | 30.3% |
| 0.5〜1.5kg重い33,043走 | 12.0% | 33.5% |
| 2kg以上重い42,000走 | 12.4% | 33.7% |
2kg以上軽い馬の3着内率は22.6%、中央値と同じ馬は30.3%、2kg以上重い馬は33.7%でした。軽い馬は重い馬を下回る結果です。ただし、重い斤量を背負うのは実績で斤量が加えられた馬、軽いのは牝馬や若い馬、減量のある騎手が乗る馬が多く、顔ぶれが違います。この表だけでは「斤量が重いほうが走る」とは読めません。
顔ぶれをそろえても、向きは変わらない
まず牝馬を除き、牡・セン同士の中央値と比べました。2kg以上軽い牡・センは21.6%、2kg以上重い牡・センは41.7%でした。次に、その馬のそれまでの通算3着内率で帯に分けました。もともと走る馬と走らない馬を、同じ帯の中で比べるためです。
| 通算3着内率 | 2kg以上軽い | 同じ | 2kg以上重い |
|---|---|---|---|
| 〜15% | 10.8%10,272走 | 13.2%25,523走 | 14.1%7,798走 |
| 15〜30% | 16.7%10,265走 | 20.3%27,969走 | 22.7%7,922走 |
| 30〜45% | 23.3%8,477走 | 27.4%23,327走 | 32.1%5,707走 |
| 45%〜 | 36.1%8,495走 | 43.1%29,785走 | 49.3%6,570走 |
2kg以上軽い馬が2kg以上重い馬を下回ったのは、4つの帯のうち4つでした。もともとの成績をそろえても、「軽い馬のほうが走る」という向きにはなりませんでした。帯の中にも、クラスや距離の違いは残っています。
同じ馬が斤量を減らしたら
レースの中の比較では馬が違います。そこで同じ馬について、前走(90日以内)からの斤量の増減で分けました。右の列は、前走と同じ騎手が乗った走だけです。
| 前走から | 全体 | 同じ騎手 |
|---|---|---|
| 2kg以上減 | 19.8%14,335走 | 30.2%1,234走 |
| 0.5〜1.5kg減 | 26.9%14,648走 | 32.6%5,439走 |
| 同じ | 29.2%227,215走 | 30.5%150,339走 |
| 0.5〜1.5kg増 | 29.1%19,303走 | 33.8%9,407走 |
| 2kg以上増 | 22.4%13,498走 | 36.3%1,417走 |
前走から2kg以上減らした走の3着内率は、全体では19.8%で、斤量が同じ走(29.2%)を下回る結果でした。ところが、2kg以上減らした走の91%は前走と騎手が替わっていました。前走と同じ騎手のままの走に限ると、2kg以上減らした走は30.2%、斤量が同じ走は30.5%で、ほぼ同じでした。斤量が大きく減る走は、騎手の乗り替わりと重なっていることが多く、全体の数字にはその分が混ざっています。同じ騎手のまま比べると、斤量が減ったことによる上積みは、この数字からは見えませんでした。
前走の着順の位置でも分けました(前走が良かった馬は次も走りやすいため)。この表は騎手が替わった走も含む全体の数字です。2kg以上減らした走が斤量の同じ走を下回ったのは、3つの帯のうち3つでした。
| 前走の着順 | 2kg以上減 | 同じ | 2kg以上増 |
|---|---|---|---|
| 前走上位 | 34.2%3,030走 | 46.3%72,135走 | 38.7%2,656走 |
| 前走中位 | 22.9%4,589走 | 27.9%78,548走 | 25.3%4,643走 |
| 前走下位 | 11.3%6,716走 | 14.4%76,532走 | 13.2%6,199走 |
場別: レースの中の比較(3着内率)
| 場 | 2kg以上軽い | 同じ | 2kg以上重い |
|---|---|---|---|
| 船橋 | 21.2%3,887走 | 29.7%11,482走 | 35.3%2,372走 |
| 大井 | 16.8%6,661走 | 27.1%18,863走 | 30.6%4,042走 |
| 浦和 | 22.4%2,990走 | 29.0%9,529走 | 31.1%2,882走 |
| 川崎 | 20.1%3,722走 | 28.0%11,663走 | 33.4%3,133走 |
| 門別 | 19.7%3,073走 | 31.8%15,175走 | 35.5%3,229走 |
| 高知 | 22.3%6,246走 | 32.4%18,550走 | 36.6%2,049走 |
| 園田 | 25.2%7,161走 | 30.6%18,694走 | 31.9%4,611走 |
| 佐賀 | 22.6%4,701走 | 30.1%17,662走 | 33.9%5,210走 |
| 名古屋 | 23.8%7,757走 | 26.8%21,042走 | 31.2%7,433走 |
| 笠松 | 26.5%3,474走 | 36.1%11,169走 | 40.4%3,860走 |
| 金沢 | 29.6%3,401走 | 34.2%14,107走 | 35.1%3,179走 |
2kg以上軽い馬が2kg以上重い馬を下回ったのは11場中11場でした。場別の表は馬のもともとの成績をそろえていないので、場ごとの差の理由までは分かりません。
この表の読み方と注意点
- 「斤量が軽いから」「斤量が減ったから」という理由だけで評価を上げる根拠は、この数字からは出ませんでした。
- 斤量の重い軽いは、実績・性別・年齢・騎手と結びついて決まります。示しているのは関連であって原因ではありません。
- 騎手の替わり方そのものの比べ方は「乗り替わりは割引か」で測っています。
- 回収率(オッズ)は扱っていません。示しているのは「どれだけ3着以内に来るか」であって「儲かるか」ではありません。人気・オッズは当サイトの予想には使っていません。
どう数えたか
- 対象は各場の結果データのうち、5頭以上が完走し、完走した全馬に斤量の記録があるレースの完走馬です。
- レースの中の比較は、その馬の斤量と、同じレースの完走馬の斤量の中央値との差です。牡・セン同士の表は、牝馬を除いた中央値との差で、牡・センが3頭以上いるレースだけです。
- 通算3着内率は、その走より前の完走での3着内率です。5走以上ある馬だけを帯の表に入れています。
- 同じ馬の比較の前走は、その馬の直前の完走です(場は問いません)。前走から90日を超える走と、前走が上の条件を満たさないレースだった走は数えていません。「同じ騎手」は、前走と騎手名が同じ走です。
- 前走の着順の位置は、着順÷頭数が1/3以下を上位、2/3以下を中位、それより下を下位としました。
- 馬は馬IDで区別しています(南関4場どうし、それ以外の場どうし)。同じ日の結果は、その日の分類に使っていません。帯と場別の表は、200走以上ある区分だけを載せています。
この結論の限界
- これは関連であって、斤量の軽重が着順を決める原因であることを示すものではありません。
- 当サイトのデータには、騎手の減量の記号が残っていません。減量騎手かどうかは直接は分からず、「前走と同じ騎手」で間接的に除いているだけです。
- クラスの上げ下げ・距離・ハンデ戦かどうか・相手関係は揃えていません。
- 当サイトの結果データにある地方の場の走だけでつないでいます。南関4場と、それ以外の場とでは馬の識別番号の体系が違うため、両者をまたいだ移籍は追えていません。