コラム / 競馬の「それ、ホント?」
叩き2走目は上積みがあるか — 2走目ではほぼ変わらない。実績のある馬が3走目にかけて上がる
公開 2026-10-06 ・ 数値は毎朝の最新データで自動更新(最終更新 2026-10-06)
「休み明けは一度使ってから」「叩き2走目で上積み」。休み明けの馬は、初戦より2戦目のほうが走るとよく言われます。そこで11場の結果から、前走から91日以上あいた走を「1走目」、その次の走を「2走目」、さらに次を「3走目」として、36,341走の3着内率を数えました。比べる相手は、直近3回の間隔がどれも90日以内の「ふだんの走」です。どの段階かは出走表の時点で分かる情報です。
2走目の率は、1走目とほぼ変わらない
| 休み明けから | 勝率 | 3着内率 |
|---|---|---|
| 1走目13,680走 | 13.5% | 33.2% |
| 2走目12,106走 | 12.9% | 33.6% |
| 3走目10,555走 | 12.7% | 34.7% |
| ふだんの走223,295走 | 7.7% | 26.1% |
1走目の3着内率は33.2%、2走目は33.6%(+0.4pt)で、ほぼ同じでした。勝率は1走目13.5%、2走目12.9%です。3走目は3着内率34.7%でした。ふだんの走(26.1%)は休み明けの3段階より低く出ていますが、走っている馬の顔ぶれが違うので、そのまま「休み明けのほうが走る」とは読めません。そこで次に、馬のもともとの成績をそろえます。
実績のある馬は、3走目にかけて上がる
その馬のそれまでの通算3着内率が同じくらいの馬どうしで比べました(それまでに5走以上ある馬のみ)。数字はその走の3着内率です。
| 通算の3着内率それまでの走 | 1走目 | 2走目 | 3走目 | ふだん |
|---|---|---|---|---|
| 〜15% | 15.5%1,259走 | 14.8%1,314走 | 14.1%1,334走 | 12.7%50,783走 |
| 15〜30% | 19.4%1,791走 | 21.2%1,910走 | 22.9%1,915走 | 19.7%52,156走 |
| 30〜45% | 28.0%2,001走 | 28.6%2,007走 | 32.1%1,956走 | 26.8%41,492走 |
| 45%〜 | 41.3%3,660走 | 45.2%3,661走 | 47.9%3,521走 | 42.6%45,738走 |
1走目→2走目→3走目と順に上がったのは4帯中3帯(15〜30%・30〜45%・45%〜)です。通算3着内率45%〜の馬では41.3%→45.2%→47.9%で、2走目の上がり幅(+3.8pt)より、3走目までの上がり幅(+6.5pt)のほうが大きく出ています。一方、通算〜15%の馬は15.5%→14.8%→14.1%で、使うほど下がっています。上積みがあるとしても、それは2走目にまとめて来るものではなく、実績のある馬で、3走目にかけて少しずつという形でした。
同じ馬で比べる: 初戦で負けた馬は巻き返すのか
群どうしの比較では、2走目まで走る馬と走らない馬の違いが混ざります。そこで、1走目と2走目の両方を走った馬だけで、2走目の着順(頭数で割った位置)が1走目より上がった割合を数えました。比べる相手は、ふだんの走が続いた馬の「前の走→次の走」です。前の走で負けた馬は、休み明けでなくても次は着順が上がりやすいので、それを差し引くための相手です。
| 前の走の着順 | 1走目→2走目次の3着内率 | ふだん次の3着内率 |
|---|---|---|
| 上位(3着内) | 54.5%4,073頭 | 42.4%61,815頭 |
| 中位 | 34.0%3,210頭 | 27.2%69,366頭 |
| 下位 | 15.6%4,823頭 | 14.4%92,114頭 |
着順が上がった割合は、1走目→2走目が47.1%、ふだんの走が45.5%でした。前の走の着順をそろえると、1走目で負けた馬は、ふだんの走で同じように負けた馬より次の3着内率が高く出ます(中位で負けた馬で34.0%対27.2%)。ここだけ見ると「休み明けの負けは割り引いてよい」と読めます。
ところが、ここに馬のもともとの成績の違いが混ざっていました。前の走で4着以下だった馬だけを、通算3着内率の帯をそろえて比べ直したのが次の表です。
| 通算の3着内率前の走で4着以下 | 1走目→2走目次の3着内率 | ふだん次の3着内率 |
|---|---|---|
| 〜15% | 13.4%1,248頭 | 12.0%47,821頭 |
| 15〜30% | 17.0%1,600頭 | 17.8%42,448頭 |
| 30〜45% | 21.3%1,491頭 | 23.2%28,968頭 |
| 45%〜 | 32.9%1,773頭 | 33.4%20,776頭 |
帯をそろえると、1走目で負けた馬の2走目がふだんを上回ったのは4帯中1帯でした。着順だけをそろえた比較で見えた差には、馬のもともとの成績の違いが混ざっていたことになり、休み明けの負けだけを特別に割り引く根拠にはなりませんでした。
休みの長さで分けると
| 休みの長さ | 1走目 | 2走目 | 3走目 |
|---|---|---|---|
| 91〜180日 | 33.0%10,649走 | 33.2%9,478走 | 34.1%8,302走 |
| 181日以上 | 33.6%3,031走 | 34.8%2,628走 | 36.8%2,253走 |
91〜180日の休みでは33.0%→33.2%→34.1%、181日以上の休みでは33.6%→34.8%→36.8%でした。どちらの長さでも、2走目で大きく跳ね上がる形は見えていません。
場別: 3着内率
| 場 | 1走目 | 2走目 | 3走目 |
|---|---|---|---|
| 船橋 | 27.8%1,671走 | 29.2%1,364走 | 31.8%1,096走 |
| 大井 | 30.4%2,590走 | 29.6%2,331走 | 29.2%2,007走 |
| 浦和 | 27.8%1,338走 | 30.3%1,128走 | 32.3%972走 |
| 川崎 | 27.9%1,517走 | 29.0%1,333走 | 30.1%1,180走 |
| 門別 | 31.7%954走 | 32.1%906走 | 32.8%845走 |
| 高知 | 34.9%467走 | 36.0%420走 | 41.0%393走 |
| 園田 | 44.4%2,569走 | 42.2%2,300走 | 41.2%1,945走 |
| 佐賀 | 30.6%643走 | 31.2%590走 | 34.2%541走 |
| 名古屋 | 32.5%916走 | 35.3%842走 | 39.6%767走 |
| 笠松 | 41.0%488走 | 41.6%430走 | 44.6%401走 |
| 金沢 | 35.7%527走 | 37.4%462走 | 37.7%408走 |
3走目が1走目を上回ったのは11場中9場。反対に、1走目がいちばん高かったのは大井・園田の2場で、休み明けの初戦から走る場もあります。場別の表は馬のもともとの成績をそろえていないので、場の違いの理由までは分かりません。
この表の読み方と注意点
- 「叩き2走目」だけを理由に評価を上げる根拠は、この数字からは出ませんでした。上がるとしても実績のある馬で、2走目より3走目にかけてです。
- 休み明けの理由(放牧・故障・転入待ちなど)は分かりません。なぜ上がるのかもこの表からは分けられません。示しているのは関連であって原因ではありません。
- 出走間隔そのもの(連闘・中1週・休み明け)の比べ方は「休み明けは買えるのか」で測っています。
- 回収率(オッズ)は扱っていません。示しているのは「どれだけ3着以内に来るか」であって「儲かるか」ではありません。人気・オッズは当サイトの予想には使っていません。
どう数えたか
- 対象は各場の結果データのうち、5頭以上が完走したレースの完走馬です。
- 前走は、同じ馬の直前の出走です(場は問いません)。前走から91日以上あいた走を1走目、その次を2走目、さらに次を3走目としました。2走目・3走目は前の走から90日以内のものだけで、また91日以上あいたら新しい1走目です。91日という区切りは、当サイトのスコアの出走間隔の区分と同じです。
- ふだんの走は、それまでに3走以上あり、直近3回の間隔がどれも90日以内の走です。
- 通算3着内率は、その走より前の完走での3着内率です。5走以上ある馬だけを帯の表に入れています。
- 同じ馬の比較の「位置」は、(着順−1)÷(頭数−1)です。前の走の着順は、3着以内を上位、それより下で位置が0.6未満を中位、それ以外を下位としました。
- 馬は馬IDで区別しています(南関4場どうし、それ以外の場どうし)。同じ日の結果は、その日の分類に使っていません。場別の表は4つの区分すべてに200走以上ある場だけを載せています。
この結論の限界
- これは関連であって、休み明けから使うことが着順を上げる原因であることを示すものではありません。
- 通算の成績・前の走の着順で分けたのは1つずつの調整で、クラスの上げ下げ・距離・頭数・相手関係は揃えていません。
- 当サイトの結果データにある地方の場の走だけでつないでいます。その間に中央や対象外の場で走っていれば、休み明けでない走が1走目に混ざります。
- 2走目・3走目まで走るのは、1走目のあとも続けて使えた馬です。群どうしの比較には、その顔ぶれの違いが残ります。
- 南関4場と、それ以外の場とでは馬の識別番号の体系が違うため、両者をまたいだ移籍は追えていません。