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コラム / 競馬の「それ、ホント?」

「前に行ける馬を買え」は本当か — 地方13場の脚質バイアス実測

公開 2026-07-08 ・ 数値は毎朝の最新データで自動更新(最終更新 2026-10-24)

競馬の格言に「南関は前に行ける馬を買え」というものがあります。逃げ・先行馬が有利で、後方からの差し・追込は 届かない——本当にそうなのか、予想対象の地方13場・全レースの実データ(約38万走)で脚質別の成績を測ってみました。 脚質は各馬の過去レースでのコーナー通過順から機械的に判定したものです。

13場すべてで「前有利」。ただし程度は場で違う

船橋出走数勝率複勝率
逃げ2,37626.3%52.9%
先行4,62414.1%39.1%
差し7,3867.5%27.4%
追込7,4443.3%15.5%
大井出走数勝率複勝率
逃げ3,89024.4%51.2%
先行8,23814.8%38.6%
差し12,6746.0%23.5%
追込12,9391.9%10.4%
浦和出走数勝率複勝率
逃げ2,05832.8%63.9%
先行4,44213.9%41.5%
差し6,7516.2%24.8%
追込6,7042.4%11.6%
川崎出走数勝率複勝率
逃げ2,56829.6%56.7%
先行5,11713.8%39.9%
差し7,9286.2%24.5%
追込7,7182.5%12.8%
門別出走数勝率複勝率
逃げ3,40227.9%56.6%
先行6,34615.5%44.0%
差し9,7777.5%28.7%
追込9,1912.4%12.2%
高知出走数勝率複勝率
逃げ3,47032.4%63.9%
先行6,67114.7%42.0%
差し11,1087.8%29.0%
追込11,0122.9%14.5%
園田出走数勝率複勝率
逃げ5,42828.8%58.5%
先行9,48213.5%40.8%
差し14,7428.1%28.8%
追込15,4733.1%14.5%
佐賀出走数勝率複勝率
逃げ3,66027.1%54.7%
先行7,49315.2%42.6%
差し12,1108.1%29.7%
追込12,4833.0%13.2%
名古屋出走数勝率複勝率
逃げ4,11625.0%51.9%
先行9,89315.2%42.6%
差し14,7767.3%26.1%
追込14,5932.3%10.9%
笠松出走数勝率複勝率
逃げ3,25826.6%54.5%
先行4,26818.9%50.8%
差し8,41810.6%37.5%
追込8,9044.1%18.8%
金沢出走数勝率複勝率
逃げ3,18535.7%62.9%
先行4,68414.9%44.0%
差し8,3288.5%33.9%
追込8,5612.9%17.1%
盛岡出走数勝率複勝率
逃げ2,16031.7%58.0%
先行4,28414.9%42.9%
差し6,9477.7%29.2%
追込6,7822.2%13.3%
水沢出走数勝率複勝率
逃げ2,42531.6%59.7%
先行4,35616.0%44.9%
差し7,0896.4%27.9%
追込7,3062.8%13.6%

どの場でも「逃げ」の複勝率が最も高く、「追込」が最も低い——格言は実データでも成立しています。とくに船橋は逃げ馬の複勝率52.9%に対して追込は15.5%と、3.4倍の開きがあります。前(逃げ・先行)と後ろ(差し・追込)でまとめると:

前(逃げ・先行)− 後ろ(差し・追込)の複勝率の差(場ごと)単位はpt。どの場でもプラス=前有利
浦和
30.4pt
水沢
29.6pt
高知
27.7pt
門別
27.7pt
川崎
26.8pt
名古屋
26.8pt
盛岡
26.6pt
金沢
26.3pt
園田
25.8pt
大井
25.8pt
佐賀
25.2pt
笠松
24.5pt
船橋
22.4pt
数字の表(件数つき)
場前(逃げ・先行)複勝率後ろ(差し・追込)複勝率差
船橋43.8%21.4%+22.4pt
大井42.6%16.9%+25.8pt
浦和48.6%18.2%+30.4pt
川崎45.5%18.7%+26.8pt
門別48.4%20.7%+27.7pt
高知49.5%21.8%+27.7pt
園田47.2%21.5%+25.8pt
佐賀46.6%21.3%+25.2pt
名古屋45.3%18.5%+26.8pt
笠松52.4%27.9%+24.5pt
金沢51.6%25.4%+26.3pt
盛岡48.0%21.3%+26.6pt
水沢50.2%20.6%+29.6pt

なぜ「前有利」になるのか

南関のコースは小回りでダートが深く、直線も短いため、外から一気に差し切るには距離が足りません。 さらにナイター開催の砂は内が締まりやすく、先に好位置を取った馬がそのまま押し切る展開が構造的に 起きやすい——「前有利」は騎手の腕でも偶然でもなく、コース形状が生む恒常的なバイアスです。

ただし「逃げそうな馬」を見抜くのが本当の問題

脚質バイアスを知っていても、そのレースで実際に逃げられるかは相手関係で決まります。逃げ馬が2頭いれば 共倒れもあり、単騎で逃げられそうなら価値は跳ね上がる。UmaLab-AIの予想は、各馬の主戦脚質とメンバー構成 から「展開」を項目として評価に織り込んでいます(理論ページ)。その予想が実際にどれだけ当たっているかは実績ページですべて公開しています。

※集計対象: 2024-01-15〜2026-10-02の地方13場・全レース(自前収集データの派生統計・転載なし)。脚質は過去走のコーナー通過順からの機械判定のため、 実際の位置取りと異なる場合があります。率は3着以内率(複勝率)・母数は出走数。

この数字を予想本体でどう使っているか

脚質の傾向は「展開脚質」という項目としてモデルに入っています。ただし入れているのは 「この馬は逃げ馬だから加点」という単純な形ではありません。過去走から判定したその馬の主戦脚質と、 同じレースに出ている他の馬の主戦脚質の分布——つまりメンバー構成を合わせて見ています。 前に行きたい馬が1頭だけのレースと、3頭いるレースでは意味が変わるからです。

この項目が総合評価をどれだけ動かすかは、各レースの項目別評価の見出しにパーセントで出しています。 実測では、展開脚質の寄与は実力や近走の時計に比べてかなり小さくなります。前有利という傾向は実在するのに 寄与が小さいのは、脚質の情報が「その馬がどれだけ強いか」とかなり重なっているためだと考えられます。

当サイトではさらに、展開の読みだけを根拠にAI予想の◎を動かすことを禁じています。週ごとの答え合わせで、 展開だけを主な根拠にして統計モデルと違う結論を出したケースが2週続けて負け越したためです。 展開は、その馬自身の実測(同条件の時計・当地の実績)と重なったときにだけ根拠として使う——というのが、 実測から決めた現在の運用です。

どう数えたか

この結論の限界

各場の実測は実績ページと場ごとのページに出しています。当サイトの予想では、この脚質の傾向を「展開脚質」の項目として学習に織り込み、 各レースの項目別評価にその項目が総合をどれだけ動かすかを%で表示しています。