コラム / 競馬の「それ、ホント?」
2歳馬の2戦目は上積みがあるか — 新馬戦で負けた馬は、同じ成績の馬より走る。ただし場で分かれる
公開 2026-10-28 ・ 数値は毎朝の最新データで自動更新(最終更新 2026-10-27)
「新馬戦は様子見。一度使った2戦目で変わる」。2歳戦でよく聞く言い方です。そこで、新馬戦でデビューした2歳馬4,228頭を追い、2走目の成績を数えました。
ただし、2走目の馬をそのまま全体と比べることはできません。新馬戦で勝った馬は次から別のレースに回り、2走目の馬は勝てなかった馬どうしで走ることが多いからです。そこで同じレースの中で、2走目の馬と、3〜5走目の馬(どちらも新馬戦でデビューしてまだ1勝もしていない2歳馬)を比べました。それまでの成績は、それまでの全部の走の着順率(1着=0%、最下位=100%)の平均でそろえています。どれも出走表の時点で分かる情報です。
2走目の馬は、それまでの成績ほど差がつかない
数字の表(件数つき)
| それまでの着順率全部の走の平均 | 2走目 | 3〜5走目 |
|---|---|---|
| 0〜20%上位 | 53.3%257走 | 61.6%99走 |
| 20〜40% | 49.0%525走 | 49.5%566走 |
| 40〜60% | 37.1%564走 | 31.4%1,061走 |
| 60〜80% | 34.4%526走 | 20.3%1,073走 |
| 80〜100%下位 | 19.2%666走 | 12.2%646走 |
それまでの成績が下位(着順率の平均が60%以上)の帯では、2走目の馬の3着内率が、同じ帯の3〜5走目の馬を+10.1pt上回りました(帯ごとの差を、2走目の馬の数で重みづけした値)。反対に上位(40%未満)の帯では−3.1ptで、下回りました。
いちばん上の帯といちばん下の帯の3着内率の開きは、3〜5走目の馬では49.4ポイント、2走目の馬では34.1ポイントでした。新馬戦1回の着順だけでは、そのあとの着順は3〜5走ぶんの成績ほどには分かれません。新馬戦で大きく負けた馬は思ったより走り、新馬戦で上位だった馬は思ったほどではない、という形です。全体をならすと、2走目の馬は同じ帯の3〜5走目の馬より+5.1pt(勝率は+3.3pt)でした。
場別: 新馬戦で下位だった馬の2走目
差がはっきり出た「それまでの成績が下位」の帯で、競馬場ごとに比べました(2走目・3〜5走目とも40走以上ある場のみ)。
数字の表(件数つき)
| 場 | 2走目 | 3〜5走目 | 差帯をそろえた |
|---|---|---|---|
| 船橋 | 39.0%123走 | 20.0%110走 | +24.6pt |
| 大井 | 37.2%180走 | 14.0%193走 | +23.8pt |
| 川崎 | 35.2%128走 | 20.2%163走 | +14.3pt |
| 浦和 | 36.0%75走 | 21.7%92走 | +13.3pt |
| 盛岡 | 26.8%41走 | 17.7%62走 | +10.2pt |
| 高知 | 30.2%43走 | 31.1%74走 | +2.3pt |
| 門別 | 9.4%341走 | 12.0%618走 | −1.3pt |
| 園田 | 14.2%120走 | 21.6%176走 | −5.4pt |
2走目の馬が2ポイント以上上回ったのは船橋・大井・川崎・浦和・盛岡・高知の6場(いちばん大きいのは船橋の+24.6pt)、差が2ポイント未満だったのは門別の1場、2ポイント以上下回ったのは園田の1場でした。「新馬戦で負けた馬の2戦目」は、どこでも同じ読み方ができるわけではありません。
この表の読み方と注意点
- 新馬戦で大きく負けた馬を、その着順どおりに低く見るのは、場によっては見誤りのもとになります。一方、新馬戦で上位だった馬を、その1回だけで高く見るのも同じです。
- ただし、場で向きが分かれます。2走目の馬が上回る形がはっきりしているのは一部の場で、同じくらいか逆になる場もあります。
- なぜそうなるのか(成長・慣れ・新馬戦の相手関係・レースの組まれ方など)は、この表からは分けられません。示しているのは関連であって原因ではありません。
- 回収率(オッズ)は扱っていません。示しているのは「どれだけ3着以内に来るか」であって「儲かるか」ではありません。人気・オッズは当サイトの予想には使っていません。
- デビュー戦そのものについては「デビュー戦は能力試験のタイムで買えるか」で測っています。
どう数えたか
- 対象は各場の結果データのうち、5頭以上が完走したレースの完走馬です。
- 新馬戦は、出走馬の8割以上がその日が初出走(データ上で最初の完走)のレースとしました。各場のデータが始まってから180日以内のレースは、データより前に走っていた馬を初出走と見誤るため数えていません。
- 新馬戦でデビューし、そのとき2歳だった馬だけを追っています。数える走は2〜5走目で、まだ2歳・まだ1勝もしていない・前走から120日以内の走です。
- 同じレースに「2走目の馬」と「3〜5走目の馬」の両方がいるレースだけを数えています(相手の質をそろえるため)。
- 着順率は (着順−1)/(頭数−1) で、1着が0%、最下位が100%です。それまでの全部の走の平均を20%ごとの帯に分けました。差は、帯ごとの差を2走目の馬の数で重みづけして平均した値です(両方の群に20走以上ある帯だけ・場別は10走以上)。
- 馬は馬IDで区別しています(南関4場どうし、それ以外の場どうし)。場別の表は、下位の帯に2走目・3〜5走目ともに40走以上ある場だけを載せています。
この結論の限界
- これは関連であって、2走目であることが着順を良くする原因であることを示すものではありません。
- それまでの着順率でそろえたのは1つの調整で、距離・馬場・クラスの組まれ方・前走からの間隔は揃えていません。
- 3〜5走目でまだ勝っていない馬は、何度か負けている馬です。着順率の平均が同じでも、走った回数の違いが中身の違いになっている可能性は残ります。
- 南関4場と、それ以外の場とでは馬の識別番号の体系が違うため、両者をまたいだ移籍は追えていません。他地区で走ってから移ってきた馬が「初出走」に混ざる可能性があります。