コラム / 競馬の「それ、ホント?」
牝馬は牡馬に勝てないか — 素の数字では下回る。それまでの成績をそろえると差は小さくなる
公開 2026-10-08 ・ 数値は毎朝の最新データで自動更新(最終更新 2026-10-09)
「牝馬は牡馬相手だと分が悪い」とよく言われます。そこで11場の結果から、牝馬と牡馬・センが一緒に走ったレース(混合戦)30,419レース・312,145走を数えました。比べ方は2つです。1つは素の比較。もう1つは、その馬の「それまでの成績」をそろえた比較です。性別は出走表の時点で分かる情報です。
素の数字では、牝馬は下回る
| 混合戦 | 勝率 | 3着内率 |
|---|---|---|
| 牝馬 | 8.3% | 26.7%145,080走 |
| 牡馬・セン | 11.0% | 31.5%167,065走 |
牝馬の3着内率は26.7%で、牡馬・センの31.5%を下回る。勝率も8.3%と11.0%です。場別に見ても、牝馬が下回ったのは11場中11場でした(表は記事の下にあります)。ここまでは「牝馬は分が悪い」のとおりです。
それまでの成績をそろえると、差は小さくなる
ただ、素の比較は「どんな馬が走っているか」の違いを含みます。そこで、その馬がそれまでに3着以内に入った割合(通算3着内率)の帯ごとに分けて比べました(それまで5走以上の馬だけ)。帯の右の小さな数字は、その帯の馬の通算3着内率の平均です。
| 通算3着内率 | 牝馬 | 牡馬・セン |
|---|---|---|
| 〜15%平均 6.1%/6.2% | 12.8%27,468走 | 12.8%25,517走 |
| 15〜30%平均 21.9%/22.1% | 19.5%27,030走 | 20.2%28,836走 |
| 30〜45%平均 36.9%/37.0% | 26.7%21,014走 | 27.9%24,217走 |
| 45〜60%平均 51.4%/51.7% | 33.9%9,982走 | 36.2%14,023走 |
| 60%〜平均 72.3%/73.9% | 47.3%10,043走 | 51.7%17,815走 |
5つの帯のうち、牝馬と牡馬・センの差が1pt未満だったのは2つ(〜15%・15〜30%)でした。いちばん上の帯(60%〜)では、牝馬は47.3%と牡馬・センの51.7%を下回る。ただしこの帯は、牡馬・センの方が通算の平均もやや高い(72.3%と73.9%)ので、差の一部は顔ぶれの違いです。
そろえた比較のまとめ
それまで5走以上の牝馬95,537走について、同じ場・同じ帯の牡馬・センの3着内率を「見込み」にして比べました。同じ馬たちの素の差は23.6%と27.3%で−3.7pt。成績をそろえた見込みとの差は−1.4pt(実測23.6%・見込み25.0%)でした。
| 場 | 牝馬の実測 | 見込み | 差 |
|---|---|---|---|
| 船橋 | 19.7%4,738走 | 22.6% | −2.9pt |
| 大井 | 17.0%8,106走 | 19.6% | −2.6pt |
| 浦和 | 23.3%5,694走 | 25.1% | −1.8pt |
| 川崎 | 20.8%6,223走 | 22.1% | −1.3pt |
| 門別 | 26.1%7,467走 | 26.0% | +0.1pt |
| 高知 | 22.6%6,371走 | 24.5% | −1.9pt |
| 園田 | 27.3%12,782走 | 27.1% | +0.2pt |
| 佐賀 | 22.2%12,280走 | 24.9% | −2.7pt |
| 名古屋 | 21.1%14,862走 | 22.3% | −1.2pt |
| 笠松 | 28.6%9,202走 | 30.5% | −1.9pt |
| 金沢 | 28.3%7,812走 | 29.1% | −0.8pt |
見込みを下回ったのは11場中9場、差が1pt未満だったのは3場(門別・園田・金沢)でした。差は小さくなりますが、多くの場で同じ向きに残ります。
場別: 素の比較(3着内率)
| 場 | 牝馬 | 牡馬・セン |
|---|---|---|
| 船橋 | 23.9%8,324走 | 31.6%12,067走 |
| 大井 | 20.5%13,647走 | 27.8%20,644走 |
| 浦和 | 26.3%9,214走 | 30.0%9,249走 |
| 川崎 | 24.5%10,345走 | 30.2%10,931走 |
| 門別 | 27.4%13,032走 | 32.7%12,533走 |
| 高知 | 26.6%8,936走 | 32.0%18,709走 |
| 園田 | 29.2%19,072走 | 30.3%23,920走 |
| 佐賀 | 25.6%17,027走 | 32.7%16,398走 |
| 名古屋 | 24.2%21,401走 | 30.3%20,174走 |
| 笠松 | 33.2%12,857走 | 38.0%10,615走 |
| 金沢 | 32.0%11,225走 | 35.1%11,825走 |
この表の読み方と注意点
- 同じ馬たちの素の差(−3.7pt)のうち、それまでの成績をそろえた後に残ったのは−1.4ptでした。「牝馬だから」と、成績表に出ている以上に大きく割り引く根拠は、この数字からは出ませんでした。
- ただし通算の成績そのものに、牝馬であることの影響がすでに含まれています。そろえた比較は「成績表を見たうえで、さらに割り引く必要があるか」を見たもので、「牝馬に不利は無い」と示すものではありません。
- 季節による牝馬の成績の違いは「地方競馬の夏競馬は荒れるのか」で、斤量との関係は「斤量が軽い馬は有利か」で測っています。
- 回収率(オッズ)は扱っていません。示しているのは「どれだけ3着以内に来るか」であって「儲かるか」ではありません。人気・オッズは当サイトの予想には使っていません。
どう数えたか
- 対象は各場の結果データのうち、5頭以上が完走し、完走した全馬に性別の記録があり、牝馬と牡馬・センが両方いるレースの完走馬です。レース名に「牝」を含むレース(牝馬限定戦)は除いています。
- 勝率・3着内率は完走馬に対する割合です。
- 通算3着内率は、その走より前の完走(牝馬限定戦も含む)での3着内率です。5走以上ある馬だけを帯の表とそろえた比較に入れています。
- そろえた比較の見込みは、同じ場・同じ帯の牡馬・センの3着内率です。その区分の牡馬・センが100走未満のときは数えていません。
- 馬は馬IDで区別しています(南関4場どうし、それ以外の場どうし)。同じ日の結果は、その日の分類に使っていません。場別の表は、牝馬が500走以上ある場だけを載せています。
この結論の限界
- これは関連であって、性別が着順を決める原因であることを示すものではありません。
- クラス・距離・斤量・年齢・季節は揃えていません。牝馬は斤量が軽く決まるレースが多く、その分もこの数字に含まれています。
- 当サイトの結果データにある地方の場の走だけでつないでいます。南関4場と、それ以外の場とでは馬の識別番号の体系が違うため、両者をまたいだ移籍は追えていません。中央での成績も通算に入っていません。