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コラム / 競馬の「それ、ホント?」

内枠の差し馬は揉まれて不利か — 内で少し下がる。ただし前に行く馬のほうが下がる

公開 2026-11-06 ・ 数値は毎朝の最新データで自動更新(最終更新 2026-11-05)

「内枠の差し馬は、前の馬に壁を作られたり砂をかぶったりして、脚を余しやすい」。展開を読むときによく言われることです。そこで13場の結果から、出走表の時点でふだん後ろから行く馬(主戦脚質が差し・追込)の190,917走を、馬番の内・中・外に分けて数えました。分け方は出走表で分かる情報だけです。

内の差し馬は、外の差し馬を少し下回る

3着内率は内が22.7%、外が24.6%です。顔ぶれの違いをそろえるため、各馬のそれまでの3着内率を「見込み」として並べると、内と外の見込みはほぼ同じ(28.4%と28.7%)で、見込みとの差は内が−5.7pt、外が−4.1pt。開き(内−外)は−1.6ptで、内が外を下回る結果でした。言われているのと同じ向きです。

位置3着内率見込み差
内63,566走22.7%28.4%−5.7pt
中58,515走23.3%28.5%−5.2pt
外68,836走24.6%28.7%−4.1pt

見込みとの差がどの位置でもマイナスなのは、成績の良かった馬ほど上のクラスに上がって相手が強くなるなど、成績が平均に戻る方向に動くためです。この記事では差そのものではなく、内と外の差の開きで読みます。

前に行く馬でも、内は下がる

内で下がるのが差し馬だけなら、「揉まれる」せいだと言えそうです。そこで、ふだん前に行く馬(主戦脚質が逃げ・先行)でも同じように比べました。こちらの開き(内−外)は−3.2ptで、差し馬の−1.6ptより大きく下がっています。内で下がるのは差し馬に限った話ではなく、差し馬に特有の分(差し馬の開き−前に行く馬の開き)は+1.6ptでした。

内と外の差の開き(見込みとの差:内 − 外)単位はpt。左に伸びるほど、内の馬が外の馬より見込みを下回っている。主戦脚質は出走表の時点の判定
差し・追込
−1.6
逃げ・先行
−3.2
数字の表(件数つき)
位置3着内率見込み差
逃げ・先行の内26,049走32.8%45.1%−12.3pt
逃げ・先行の中23,645走33.8%45.3%−11.6pt
逃げ・先行の外27,818走36.7%45.8%−9.1pt

区分を変えても向きは同じか

見込みの高さ・頭数・距離・前に行く馬の数・期間で分けて、差し馬に特有の分を測りました。プラス(差し馬のほうが内で下がりにくい)は13区分中12区分です。前に行く馬が多いレース(4頭以上)の差し馬の開きは−1.5pt、少ないレース(3頭以下)は−1.6ptで、ほとんど変わりません。

差し馬に特有の分(差し馬の開き − 前に行く馬の開き)単位はpt。右に伸びるほど、内での下がり方が差し馬のほうが小さい。「前に行く馬」は主戦が逃げ・先行の出走馬の頭数。期間の前半・後半の境は2025-07-21
見込み〜20%
+0.2
見込み20〜40%
+2.0
見込み40%〜
+1.8
8頭以下
+0.8
9〜11頭
+1.9
12頭以上
+1.4
1200m以下
+2.0
1300〜1600m
+1.4
1700m以上
+0.0
前に行く馬3頭以下
+1.5
前に行く馬4頭以上
+1.8
前半の期間
+1.7
後半の期間
+1.5
数字の表(件数つき)
区分差し馬前の馬特有の分
見込み〜20%25,524・27,408走−1.5pt−1.7pt+0.2pt
見込み20〜40%19,970・21,585走−2.0pt−4.0pt+2.0pt
見込み40%〜18,072・19,843走−1.6pt−3.4pt+1.8pt
8頭以下7,630・8,400走−2.7pt−3.5pt+0.8pt
9〜11頭31,091・35,114走−1.4pt−3.3pt+1.9pt
12頭以上24,845・25,322走−1.3pt−2.7pt+1.4pt
1200m以下12,512・13,369走−3.1pt−5.1pt+2.0pt
1300〜1600m45,567・49,634走−1.3pt−2.7pt+1.4pt
1700m以上5,487・5,833走−1.0pt−1.0pt+0.0pt
前に行く馬3頭以下51,164・55,494走−1.6pt−3.1pt+1.5pt
前に行く馬4頭以上12,402・13,342走−1.5pt−3.3pt+1.8pt
前半の期間31,771・34,350走−2.1pt−3.8pt+1.7pt
後半の期間31,795・34,486走−1.1pt−2.6pt+1.5pt

実際に後ろから行った馬で分けると

出走表の主戦脚質ではなく、その日に実際に後ろから行った馬(差し・追込の位置で運んだ馬)で分けると、開き(内−外)は−0.6pt、実際に前で運んだ馬は−3.1ptです。こちらでも、内で大きく下がるのは前に行った馬のほうでした。ただしこの分け方はレースが終わってから分かるもので、出走表の時点では使えません。

数字の表(件数つき)
位置3着内率見込み差
後ろで運んだ・内64,242走19.0%30.2%−11.1pt
後ろで運んだ・中58,145走19.1%30.0%−10.8pt
後ろで運んだ・外64,519走19.6%30.1%−10.5pt
位置3着内率見込み差
前で運んだ・内25,340走42.5%41.2%+1.3pt
前で運んだ・中23,978走43.7%41.5%+2.2pt
前で運んだ・外32,092走45.0%40.6%+4.4pt

場ごとに見ると

内の差し馬が外の差し馬を見込みとの差で下回ったのは13場中6場。差し馬に特有の分がプラス(前に行く馬より内で下がりにくい)だったのは13場中9場で、川崎・高知・佐賀・金沢はマイナスでした。場によって向きが分かれます。

場差し馬前の馬特有の分
船橋2,902・3,156走−3.4pt−7.0pt+3.6pt
大井6,497・7,019走+0.1pt−1.8pt+1.9pt
浦和2,574・2,760走+3.5pt+0.0pt+3.5pt
川崎3,046・3,208走+4.0pt+6.0pt−2.0pt
門別4,810・5,026走−4.7pt−5.9pt+1.2pt
高知6,201・6,687走−2.6pt−2.2pt−0.4pt
園田7,955・8,968走−5.7pt−12.6pt+6.9pt
佐賀6,338・6,699走+1.0pt+2.1pt−1.1pt
名古屋7,940・8,287走−5.2pt−6.9pt+1.7pt
笠松4,747・5,371走−2.2pt−4.9pt+2.7pt
金沢4,461・4,905走+2.8pt+3.6pt−0.8pt
盛岡2,966・3,289走+0.1pt−1.0pt+1.1pt
水沢3,129・3,461走+1.4pt−2.3pt+3.7pt

この表の読み方と注意点

どう数えたか

この結論の限界